伝説の消防官という物語

今回のテーマは、伝説の消防官として色々マスコミに取り上げられた方の話しになります。
この話をする前にお断りしておきますが、今回のテーマについては、多少筆者の私見もあることをご承知お気ください。

「伝説の消防官」とは、どのような方のことかと申しますと、ちょっとさかのぼりますが、東京の都心の「ホテルニュージャパン」火災において活躍したある特別救助隊長の話です。
この火災は、大勢の方が亡くなり、また、火災の発生が未明だっただけに、リアルタイムで実況され、燃え盛る炎から逃げようと、必死に窓枠にしがみついている方の様子などがテレビで放送され続け、テレビの前に釘付けになったことを記憶しています。

この伝説の消防官と呼ばれる方「以下A氏とかきます 」は、一番先に現場に到着した特別救助隊の隊長です。
A氏は特別救助隊の隊長として、隊員とともに、燃え盛るホテルの中に進入し、数名の方を煙の中から助けたという方です。
以前、NHKのプロジェクトXという番組にも出演したようですね「伝説の消防官」として。

筆者はA氏について、批評するつもりはないのですが、当時、報道、新聞等でも「時の人」として紹介されたりしました。
多分に東京消防庁では、広告塔に扱った節はみえますが。

筆者が素朴な疑問として思うのは、消防隊は部隊で行動します。
従いましてA氏の部下はA氏と同じように燃え盛るホテル内に進入し、煙の中から逃げ遅れた人を助けたわけです。

もちろん隊長としてのA氏の判断により、部下に指示・命令して行動したのでA氏の判断によりこのような救出劇ができたことは認めるところではありますが、同様に危険な思いをした、隊員がほとんど報道されなかったことに、私は疑問を感じます。

もう一つの疑問点というか、特筆すべき行動をした隊員たちがいます。
それは、あの火災現場にて、はしごの最上部に上がって、はしご車から何人かの方を助けたはしご隊員のことであります。
はしご車というのは、安定性が重要ですから、あまり浅い角度に伸ばしますと、バランスが崩れて転倒する危険性があります。
そのために危険な角度になりますと、センサーにより感知しアラーム音がなる仕組みとなっています。
「ホテルニュージャパン」は、逆Tの字のような建物で、下の部分にひさしが大きくはりだしている建物でした。

そのような建物ですから、はしご車は、はしごを浅い角度でかけざるをえませんでした。
目の前に、炎の中から助けを求めている人を見て、当然このような伸ばし方をしたわけです。
案の定、アラーム音が鳴り続けました。
そのような状況の中、はしご隊員たちは、アラーム音は無視して、はしごの最上部で、救助にあたったのです。
もしかして、はしご車が倒れるのではという恐怖心と戦いながらの行動です。

筆者が申し上げたいことは、消火活動とは、出場している消防隊員の総力を挙げて行うものだと思います。
確かにA氏の行動は立派な行動だったのでしょう。
しかし、報道はされなかったが、他にも危険な活動をした消防隊員がいたという事実です。

彼らは、いわば、隠れた「伝説の消防官」達であったと筆者は思うところであります。